花き出荷量6%減 主力の菊類低迷で  天候不順、物日需要出荷に課題


秋田県一の花き生産量を誇るJA秋田ふるさと花卉総合部会の10月15日を基準にした花き生産量は、昨年度より6%下回る750万本、販売額は3%下回る4億4400万円となった。出荷量全体の8割を占める主力の菊類が天候不順などの影響で、出荷量で9%、販売額で10%、いずれも昨年より下回るなど、苦戦を強いられた。同部会は今後、需要期出荷を見据えた栽培管理を強化し、異常気象に対応した産地づくりを目指す。

同部会が、11月8日に横手市内で開いた中間販売実績検討会で公表した。今年産は、8月の盆向けでは、5―6月の干ばつで草丈の生育が抑制されたことに加え、7月の長雨で葉痛みが発生するなど秀品率が低下。9月の彼岸向けでは、7―8月の長雨や一部の強風被害で曲がりの発生もみられ、出荷量に課題が残った。

さらに、これら干ばつと長雨の影響で生育が全体的に前後し、盆や彼岸といった「物日需要」への適期出荷も苦戦。この結果、菊全体の出荷量の半数を占める輪菊では、出荷量300万本(前年比90%)、販売額1億7200万円(同87%)、1本当たりの単価は57.3円(同96%)に落ち込んだ。菊類は12月上旬にかけて施設物の出荷が続くが、全体の9割を占める露地物の輪菊や小菊などは10月で生産が終了しているため、出荷減の結果はほとんど好転しない見込み。

中間販売実績検討会には、市場担当者や部会員ら90人が参加。市場担当者からの講評では、「出荷品自体の品質は良い」「物日の産地として引き合いが強い」など、さらなる生産拡大を望む声が相次いだ。

同部会は今後、①電照栽培で開花をコントロールできる品種「精の曲」の生産拡大など、物日需要に合った品種の絞り込み、②新規栽培者の確保と種苗の安定供給体制の構築、③低コスト技術の導入による施設栽培の経費削減――などの取り組みを強化することを確認した。

鈴木禎得総合部会長は「物日産地としての当JA産への市場からの期待は高い。産地の使命を果たすべく、今以上の頑張りで産地力を強化しよう」と意気込んだ。

(高橋)

  1. No comments yet.
(will not be published)