スイカ関西市場へフェリー輸送を開始


 

出荷の本格化を前に試し割りをして品質を確認する部会員ら(7月11日/横手市雄物川町/JA秋田ふるさと雄物川出荷所で)

出荷の本格化を前に試し割りをして品質を確認する部会員ら(7月11日/横手市雄物川町/JA秋田ふるさと雄物川出荷所で)

県内一のスイカ生産を誇るJA秋田ふるさと西瓜部会は、今年から、関西市場への出荷分のフェリー輸送に乗り出した。昨年から取り組む集出荷の一元化による販売対策をより強化しようと、輸送手段をこれまでのトラックのみから分散。市場への早期出荷を図ることで、より有利販売につなげる。出荷は18日から本格化する。

 

 主力の大玉スイカの出荷が本格化する7月下旬から8月中旬にかけては、長野、山形、秋田の3県が全国の中心産地となる。管内の生産量は県内の4分の3に当たる6300㌧(昨年度)に上る。JAでは、昨年度、一層の農家所得の向上を視野に、これまで地区ごとに6カ所あった集出荷所を雄物川へ集約。同一の場所での検査による品質統一やさらなる大口対応で、予約相対を1割から3割に引き上げるなど、販売対策を強化してきた。

 

 しかし、全国市場への一斉出荷に向けては、トラックの台数確保など輸送手段に課題が残った。そこでJAは、一昨年から、関西市場へのフェリー輸送の試験運用を始め、今年から本格的な活用に踏み切った。今年度は、7月23日から来月上旬にかけて、主に仙台港から名古屋港までの太平洋側ルートを2日に1回、約2400ケース(13㌔/ケース)ずつ出荷する。

 

 JA西瓜部会の播磨和宜(かずよし)部会長は「夏スイカの責任産地として、より円滑に届ける方法を取りたい」と出荷の分散化に期待する。

 

 本格出荷を前に、JAは11日、選果講習会を雄物川集出荷所で実施。主力の「あきた夏丸」や「縞無双」などM~L規格の30玉を検査員が試し割りし、糖度や熟度などを確認した。今年は、定植後に日照時間が確保されたため生育は順調。果実の肥大や持ち前のシャリ感、糖度も12度以上と品質は良好だ。18日には出発式を同出荷所で開き、全国市場への出荷が本格化する。今年度は出荷量7100㌧(前年比113%)、販売額12億円(109%)を目指す。

(あ)

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