JA秋田ふるさとは7月13日、米作りの初心者などを対象に「稲作現地研修会」を、横手市内4カ所の圃場で初めて開いた。平日のJA業務時間内では直接顔を合わせる機会の少ない兼業農家や若手農家を対象に、日曜日に開催。指導機能の強化で、26年産米の増収と品質向上を目指す。
JA管内ではこの10年で、1農家当たりの10㌃収量が30㌔ほど落ち込んできている。米農家の高齢化と担い手不足で、これまで各世帯ごとに行われてきた技術の継承がスムーズに行われない例も多く、栽培技術の向上が課題となってきた。
そこで同JAは今年1月、「稲作基礎講座」を新たに開講。3月までに「田植え準備」「田植え後の管理」「稲刈りと流通」の全3回にわたって講座を開き、のべ300人が受講するなど好評だった。管内では現在、5月中旬から下旬にかけて田植えを行った圃場で、米の収量や品質などを左右する「幼穂形成期」を迎えている。稲の栄養診断や穂肥時期などの判断が、収量や品質向上の要となることから、同講座の受講者らを中心に参加を呼びかけた。
米出荷契約者やその家族ら40人が参加。JAの営農指導員が講師となり、①稲の栄養診断方法、②穂肥(追肥)の要否判定、③今後の病害虫防除――などについて、各圃場の生育状況を見ながら確認した。参加者の一人は「日頃の疑問や不安を直接相談できて助かった。今後の管理を徹底し、高品質生産を目指したい」と意気込んだ。
(あ)