リンゴ・ブドウ “初雪”による果樹被害額 2億5000万円見込み  横手市長へ復旧支援を要請


高橋市長(右から2番目)に復旧支援要請書を提出する同JA生産者代表ら

高橋市長(右から2番目)に復旧支援要請書を提出する同JA生産者代表ら

JA秋田ふるさとは11月20日、横手市の高橋大市長を訪れ、11月11日から13日にかけての初雪によるリンゴやブドウなどの果樹被害について支援を要請した。横手市では2011年の豪雪で、リンゴやブドウを中心とする果樹で約28億円の被害が発生。同被害からの産地復旧の道半ばにおける今回の雪害による果樹被害額は2億5000万円に上る見込みで、生産者への早期支援が求められている。

 

11日の初雪からまとまった雪が降り続いた同市では、13日までに積雪が35㌢を記録。リンゴでは、主力の「ふじ」が収穫本番を迎えており、落下被害は推定で約3万箱(1箱20㌔)、落下被害額は1億7000万円に上った。樹体の枝折れも甚大で、10㌃当たりの被害本数は5~6本、被害面積は80㌶に及ぶ(被害額は調査中)。今後の本格的な降雪によるさらなる枝折れが懸念されるため、かすがいや支柱などでの補強作業が急がれる。

 

一方、収穫が終了したブドウでは、剪定作業を前に葉が残ったままの棚に雪が一気に降り積もり、棚が崩壊する園地が相次いだ。被害面積は全体の1割を超える約15㌶、復旧に必要な資材や樹体被害を合わせると被害額は7600万円に上った。今後、倒壊したまま越冬すればネズミの食害が拡大するため、本格的な積雪前のいち早い棚の修復作業が急がれる。

 

同日、同JAりんご部会佐藤貢部会長と、ぶどう部会小川忠洋部会長、小田嶋契代表理事専務、菅原敏道営農経済部長の4人が高橋市長に復旧支援要請書を提出。①復旧用資材の購入や作業用機械の借用に対する支援、②人的費用への支援または人的支援―について早急な支援体制の構築を要請した。

 

小川部会長らは「本格的な降雪の時期を前にした雪害で生産者の心のダメージが非常に大きい。来年に向けた生産意欲を失わないよう、早期支援をお願いしたい」と切願した。これを受け高橋市長は「出鼻を挫かれた農家の皆さんの心情を察すると心が痛い。今後できる限りの支援を行うので、ここで負けずに立て直してほしい」と理解を示した。同市では今後、同JAと具体的な対応策について協議し、復旧を急ぐ。

(高橋)

 

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