米栽培技術向上へ 初心者対象「稲作現地研修会」


稲の栄養診断方法などを確認する参加者

稲の栄養診断方法などを確認する参加者

稲作指導の強化で米の増収と品質向上を目指そうと、JA秋田ふるさとは7月12日、米作りの初心者らを対象に、稲作現地研修会を横手市内の4カ所の圃場で開いた。平日のJA業務時間内では直接顔を合わせる機会の少ない兼業農家や若手農家を対象に、日曜日に開催し、今年で2年目。栽培管理の疑問点を解消できるとして好評だ。

JA管内ではこの10年で、1農家当たりの10㌃収量が30㌔ほど落ち込んできている。米農家の高齢化と担い手不足で、これまで世帯ごとに行われてきた技術の継承がスムーズに行われない例も多く、栽培技術の向上が課題だ。JAではこうした農家への継続的な指導で、産地力の強化を図りたい考えだ。

管内では現在、5月中旬から下旬にかけて田植えを行った圃場で、米の収量や品質などを左右する幼穂形成期を迎えている。稲の栄養診断や穂肥時期などの判断が、収量や品質向上の要となることから、昨年に引き続きこの時期に実施した。

昨年よりも10人多い、30代から70代までの米出荷契約者とその家族ら50人が参加。JAの営農指導員が講師となり、①稲の栄養診断方法②穂肥(追肥)の要否判定、③今後の病害虫防除――などについて、各圃場の生育状況を見ながら確認。今年は田植え後の好天で平年よりも2~3日生育が前進している。今後8月上旬の出穂期や同中旬の登熟期にかけては、生長において最も水を多く必要とすることから、かん水管理の徹底で稲体の衰弱を防ぐよう呼びかけた。

参加者は「これまでは栽培の暦や周辺農家の栽培管理を真似ていたが、生育に合わせた管理が重要だと知った。稲の栄養状態を確認した上で、自分の圃場に合った管理をしていきたい」と自信をつけていた。

同JAは今年から、米の収量向上と生産コストの削減で所得向上を目指す「収量5%アップ・生産コスト5%ダウン 稲作指導GOGO(55)運動」を展開。同研修会もその一環として、継続的な開催を予定している。

(あ) (日本農業新聞への送稿記事)

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