度重なる豪雪被害からの復興へ ブドウ回復の兆し


 

度重なる豪雪被害からの復興に向け、目ぞろえ会で士気を高める部会員(8月16日/横手市山内で)

度重なる豪雪被害からの復興に向け、目ぞろえ会で士気を高める部会員(8月16日/横手市山内で)

JA秋田ふるさとぶどう部会は、2014年度のブドウの出荷量について、2011年豪雪被害前の出荷量の8割近い600㌧に戻ると見込んでいる。

昨年11月中旬には、初雪の豪雪で、今季の出荷量確保が懸念されたが、懸命な復旧作業が奏功。2011年の被害後には5割まで落ち込んだ出荷量が回復の兆しを見せている。出荷は17日に始まり、8月下旬から本格化。品質も良好で、同部会は産地の復旧に期待を寄せる。

 

 横手市では、2011年1月の豪雪被害でブドウだけで約4億円の被害があり、中長期的な産地復旧を目指してきた。しかし、昨年11月中旬には、初雪による被害が発生。収穫後、せん定作業を前に葉が残ったままの棚に雪が一気に降り積もり、棚が崩壊する園地が相次いだ。この初雪による被害面積は全体の1割を超える約15㌶、復旧に必要な資材や樹体被害を合わせると7600万円に上った。同部会は、11月中旬の降雪時から4月上旬の消雪にかけて、棚の復旧作業を急ぎ、収穫期までの管理を間に合わせた。

 

 出荷前の目ぞろえ会を16日、横手市山内の同JAぶどう集出荷所で開き、部会員ら90人が参加。主力の中粒種「キャンベル」「ポートランド」「ニューナイヤ」の3品種の規格や品質を統一した。

 今年は6月初旬の開花期の好天で結実は良好。生育は一週間近く前進しているが、栽培管理の徹底で順調に推移している。持ち味の香りや糖度も良好だ。

 

 同部会の小川忠洋部会長は「今年産は産地復興の道半ばでの豪雪被害という厳しいスタートになったが、ここが踏ん張りどころ。消費地の期待に応えるために、とにかく収量と品質の維持に注力したい」と意気込んだ。

 出荷は10月末まで、県内や東北、北海道の市場に出荷する。

(あ)

 

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