菌床シイ記録的猛暑で苦戦、最需要期巻き返しへ


JA秋田ふるさときのこ総合部会の8月末を基準にしたキノコ出荷量は、593㌧(前年比90%)、販売額6億6700万円(同95%)といずれも前年割れとなった。春から夏にかけての異常高温などで苦戦した。一方、高品質生産や良好な販売環境で1㌔平均単価は1125円(同105%)と高単価を維持。今後は12月にかけて最需要期となることから、量的確保で巻き返しを図りたい考えだ。

生産量全体の9割を占める菌床シイタケは、春先から夏場にかけての高温乾燥の影響で、5、6月の出荷量が前年比10~15%減となるなど苦戦した。しかし、猛暑日が相次いだ7月には、高温下での発生講習会などの実施で早期に対策を講じ、前年比1%増と挽回。一方、期間中の1㌔平均単価は前年比5%と高単価を維持した。

猛暑の影響を最小限におさえるため、10月以降に発生する秋冬菌の高温対策として、培養管理講習なども積極的に実施。今後は発生管理や厳寒期管理などの徹底を呼びかけ、最需要期となる10~12月にかけての出荷量増を目指す。

9月8日に横手市内で開いた生産者大会には、全国15の市場や部会員ら74人が参加。市場担当者からは、7月に全国一の高温日を記録するなど厳しい猛暑の中での高品質生産を評価した上で、「今後は鍋物需要が本格化するため量を確保してほしい」との声が相次いだ。

柴田徹総合部会長は「栽培に厳しい環境が続いているが、最需要期の巻き返しで市場の期待に応えよう」と呼びかけた。同総合部会は今年度、出荷量1885㌧(同102%)、販売額21億円を目指している。

 

(日本農業新聞への送稿記事/あ)

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