猛暑対策「りんか409」導入に成果 出荷量前年比118%記録


JA秋田ふるさとトマト部会の今年度の出荷量は、昨年を18%上回る553㌧を記録した。同部会が11月20日に横手市内で開いた販売実績検討会で公表した。同部会は、近年の猛暑による収量の伸び悩みに歯止めをかけようと、高温に強い品種「りんか409」を導入。出荷量全体の2割が同品種となり、リスク分散による夏場の安定出荷が功を奏した。

今年は、4月から6月にかけての干ばつや、8月の長雨と日照不足などで、生育には厳しい気象条件となったが、同品種の栽培講習会の実施などで、樹勢の維持を呼びかけ、出荷量を維持した。一方、全国的な出荷量の増大で販売環境に恵まれず、1㌔平均単価は266円(前年比87%)、販売額は1億4700万円(同95%)にとどまった。

販売実績検討会には、市場担当者や生産者ら40人が参加。市場担当者からの講評では、「着色が良く、果実も硬めで好評だった」と品質を評価する声が相次いだ。しかし、9月以降の出荷量確保には課題が残ったことから、同部会は品種構成の見直しや出荷の平準化に向けた作型分散などを強化することを確認した。佐藤宗一部会長は「新品種の導入で猛暑対策に効果がみられたことは大きな成果。引き続き長期安定生産に向けた対策を強化したい」と意気込んだ。

同部会はこれまで、食味が良好な品種「桃太郎」シリーズを中心に栽培。しかし、近年の猛暑などの影響で裂果や樹勢の低下がみられ、この数年は出荷最盛期となる8月の出荷が平年の8割にとどまるなど、夏場の出荷量確保が課題となっていた。

(あ)

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