スイカ販売額 過去最高14億6400万円(前年比39%増)突破! 生産・販売・物流など対策が奏功


今年から本格導入した「あきた夏丸チッチェ」には専用の手提げ袋も用意し、好評だった(7月下旬/スイカ出発式で撮影)

今年から本格導入した「あきた夏丸チッチェ」には専用の手提げ袋も用意し、好評だった(7月下旬/スイカ出発式で撮影)

秋田県一のスイカ生産量を誇るJA秋田ふるさと西瓜部会は9月8日時点の実績を公表し、販売額が過去最高の14億6400万円(前年比39%増)に上る見込みだ。

出荷は終了しており、実績はほぼ確定の見込み。高齢化による作付者の減少などで生産量は前年を7%下回ったが、干ばつを乗り越えた高品質生産や新品種の本格導入、輸送体制の強化などが奏功。平均単価は前年を49%上回るなど好調だった。

県内の7割以上を生産するJA産は、5月以降の干ばつによる生育不良が懸念されたが、かん水対策や着果させる玉数を減らす対策などで順調に仕上げた。大玉品種の出荷が本格化した7月20日以降、消費地の首都圏などで猛暑日が続き需要が高まったほか、前段産地との切り替えがスムーズに進んだことから販売環境も追い風となった。

さらに、昨年デビューした小玉品種「あきた夏丸チッチェ」も今年から本格導入した。昨年の3.6倍の約4㌶に作付けし、持ち帰りに配慮した専用の名入り手提げ袋も用意。食べきりサイズを求める首都圏の消費者を中心に、食味と独自性の両面で好評だった。

物流面にも注力。JAは昨年、ピーク時の確実な輸送便を確保するため、関西市場向けに出荷するスイカの一部をフェリー輸送に切り替えた。今年度はフェリー便をさらに増やし、体制を強化。検査体制も強化し、品質の均一化も進めた。

9月15日、横手市内で開いた販売実績検討会には、全国26の市場担当者や部会員など計94人が出席した。市場担当者からは、出荷の高位平準化を高く評価した上で、「あきた夏丸チッチェ」などの生産拡大を望む声が多く聞かれた。これを受けて播磨和宜部会長は「この結果におごることなく、来年以降も基本に立ち返り、責任産地としての役割を果たしていきたい」と気を引き締めた。

(日本農業新聞への送稿記事/あ)

 

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