概要
組合長あいさつ
皆さまには、日頃より農協事業に対して深いご理解と多大なるご協力を賜り心よりお礼申し上げます。
平成30年はコメの生産調整見直し元年となります。昭和40年代、需給調整や食糧管理制度の赤字を解消する目的として、生産調整は始まります。それは水田の利用を制限する制度でした。
その結果、生産調整が園芸作物の生産など水田の多目的な利用を推進し、農業に新たな動きや価値観をもたらすことになりました。しかし、同時にコメの生産意欲の減退、耕作放棄地の増加、後継者不足という副作用を生み出すことにもなりました。
そして、稲作農業のあるべき姿を見失いかけていることも考えられます。国内において農業技術の進歩もあり反収は増加していますが、世界の稲作が盛んな国と比較すると、この45年の間に大きく溝をあけられ太刀打ちできない状況です。「コメを1粒でも多く収穫したい」というのが農家本来の気持ちであるはずなのに、生産調整が半世紀近く継続されたことにより農業のあるべき姿を変えてしまったのかもしれません。
もはや生産調整が需給調整や価格形成の機能を果たすことはできなくなりました。この生産調整の見直しを機に、皆さんが安心して生産に専念できる環境を確立する初年度としてまいります。
当農協は5年前から生産調整廃止を見据え、実需者とともに研究・検討を重ねてきました。その結果、平成30年産の主食用米の販売計画を、前年より約11,800㌧増の約47,300㌧と設定しました。販売先はほぼ決定しておりますが、引き合いは依然として強く、それでもまだ6,000㌧が足りません。生産調整廃止は水田の利用制限が解除されたことであり、そのことによって農地を有効活用し、農業所得の増大につながるような環境を整えてまいります。
さて、当農協の経営状況ですが、平成29年度の事業総利益の実績見込みは3,534百万円となり、計画に対して154百万円の未達となりました。貸出金利息の低下、気象災害等による生産量の減少が押し下げの要因になったものの、貯金残高をはじめとする金融事業ボリュームは着実に伸長しています。事業量こそ組合員と農協との接点の厚さを示す指標であり、今後も更なる底上げを図ってまいります。
そして平成30年度経営計画は、最終年度を向える経営3カ年計画への取り組み、不祥事再発防止策の確実な実行を基本方針に据えました。特に先般発生した不祥事は役員が当事者でした。今後、当然のことながら、役員自らが行動規範を遵守し、業務執行の姿勢に対し厳しくチェックを受けなければなりません。組合員の皆さまの目が、その役割を果たす一つでもあります。
生産調整が始まった45年前、農家の先輩方はそれに反対しました。今、その悲願が達成されたとも考えられます。平成30年が新しい幕開けであったと思えるように、役職員一同「頭は低く、足は軽く、心は熱く」を行動指針として頑張ってまいります。
秋田ふるさと農業協同組合
代表理事組合長 小田嶋 契
経営指針
【もうかる農業・最大サービス】
1.我がJAは、相互扶助の理念に基づき、総合業務機能の特性・事業施設機能および人的資源を効果的に発揮し、儲かる農業の実現と組合員および地域の人々に最大限のサービスを提供する事業展開を進めます。
【ふれあい・声】
2.我がJAは、人と人との関わり合いを大切にし、組合員・地域の人々・役職員のふれあい活動の積極的展開によって、連帯意識を高めるとともに、組合員・地域の人々・組織に働く人達の「声」に応える運営を進めます。
【担い手組織要請・女性参画】
3.我がJAは、農業の維持発展の核となる担い手や営農組織の育成に全力を挙げると共に、女性農業者のJA運営参画を積極的に進めます。
【計 画 経 営】
4.我がJAは、目標達成に向けた施設展開の基盤となる強固な経営体を築くため、財務の健全化と経営収支確立に向けた「計画経営」を推し進めます。
【経 営 改 革】
5.我がJAは、既成概念や形式主義を排し、常に組織・事業が効果的に機能するために、課題解決方式の運営と経営改善・改革を積極的に進めます。
【遵 法・透 明】
6.我がJAは、組織の社会的使命・責任の重要性に鑑み、コンプライアンス(法令・諸規則等の遵守)を推進するとともに、情報等の開示により透明性の高い運営を進めます。
【人材育成・職場づくり】
7.我がJAは、常に信頼され、新しい時代を切り開く有能な意欲ある人材育成に努めるとともに、この組織に働く人々に喜びと生き甲斐のある職場づくりを進めます。
JA秋田ふるさとの概要
当地域は、秋田県南部の内陸部に広がる横手盆地の中央部に位置し、横手市と美郷町の一部を含む東西約35km、南北約20kmの地域です。
東は奥羽山脈沿いにりんごを中心とする樹園地が連なり、西の出羽丘陵地帯では草資源に恵まれ畜産が振興されています。中央から西部にかけては奥羽山脈系を 水源とする雄物川流域に水田を主体とする肥沃な耕地が展開され、県内随一の複合農業地帯となっています。
気象は典型的な内陸性気候。積雪量は1.0~1.5mと県内有数の豪雪地帯ですが、暖候期は温暖で日照に恵まれ、気温の日較差も大きく農業生産に適しています。
組織概要
■名称■
秋田ふるさと農業協同組合(あきたふるさとのうぎょうきょうどうくみあい)
■本店所在地■
〒013-0036 秋田県横手市駅前町6番22号
TEL 0182-35-2630(代) FAX 0182-35-2701
URL http://www.akita-furusato.or.jp
■組織の概要■(2018年3月末現在)
組合員数 | 17,657人 |
(正組合員) | 12,867人 |
(准組合員) | 4,790人 |
貯金 | 995億9451万円 |
貸付金 | 327億4051万円 |
購買品供給高 | 58億4509万円 |
販売品販売高 | 179億9028万円 |
共済保有高(保障) | 4100億1218万円 |
■ロゴマーク■
マークを構成するパーツをそれぞれ「山」 「川」「木」と見立てふるさとの自然を表し、 赤い丸は「人」「暮らし」を表現しています。 全体がふるさとの「ふ」に見えるようにデザインしたものです。
■イメージキャラクター■
平成12年度から、ふるさと産で販売される青果物のイメージキャラクターとして、増田町出身の漫画家矢口高雄氏の作品「釣りキチ三平」を起用し、他産地との差別化を図ります。
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